杉本彩「愛護団体が問題を起こすケースが増えているので、規制したい」

保護団体の「登録制」を求めたい

本来、動物を守るべき立場にある保護団体の代表者や関係者による動物虐待が事件化することも、最近では少なくない。

「殴る蹴るという虐待だけではなく、経費削減のために犬や猫を医者に診せないとか、劣悪な環境下で飼育する、などのネグレクトが常態化している団体もあります。
ネグレクトも立派な虐待で、動愛法第44条２項に違反していることになります」（杉本さん）

こういった動物虐待が多発しているだけでなく、動物保護団体などの第2種動物取扱業はそもそも “届出制”であることが、大きな問題だと杉本さんは指摘する。

「現状の法律では、保護団体などの活動を始める際には、飼養施設などが所在する自治体に、簡単な書類を出すだけで、審査も何も求められません。
届出制で、簡単に第2種動物取扱業を取得することができます。さらに大きな問題であるのは、その団体がどんな虐待的な飼養をしていても、
それが事件化して有罪となっても、行政がその業を辞めさせることができない、ということです。
今後、虐待の罪が厳罰化されて、その団体が虐待罪で有罪となっても、その団体自体はそのまま、業を継続することができる……。
そんなおかしな話はないですよね。これでは本当に動物たちはいつまでも救われません」（杉本さん）

そこで、Evaでは第2種動物取扱業への規制を強化するために、次の法改正で「第2種動物取扱業に登録制を導入すること」を強く求めている。
飼養施設の有無や取り扱う動物の数に限らず、金額を問わず有償で譲渡活動を行う者は、
第1種の動物取扱業者と同様に、自治体への登録を義務化する、ということだ。

「ペットショップや動物園などの第１種動物取扱業と同様の登録制にすることが、絶対的に必要だと思っています。
そうすることで、行政もその団体の実態を把握しやすくなるし、劣悪な場合には登録を取り消して廃業させることが可能になってくるわけです。
これ以上、動物愛護ビジネスを常態化させないためにも、まずはこの法改正が第一歩だと思うのです」（杉本さん）

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