堀江貴文氏とフジテレビ〝協業〟の可能性　日枝氏退場で「出演ＮＧ」も解除

２５日に開かれたフジ・メディア・ホールディングス（フジＨＤ）の株主総会に、動向が注目されている実業家のホリエモンこと堀江貴文氏が出席。フジテレビ社長でフジＨＤの清水賢治専務との〝良好関係〟が浮き彫りとなった。

　堀江氏はニッポン放送株取得を巡って、フジ側と全面戦争を繰り広げた因縁がある。２０年の時をへて、中居正広氏の問題でフジが窮地に陥ると反応を示し、ネットを中心に堀江氏待望論が噴出した。堀江氏はフジＨＤの株式を取得すると同時に独自のフジ改革案を提言し、株価が高騰する一因となっていた。

　米投資ファンド「ダルトン・インベストメンツ」が株主提案で出した取締役候補の中に堀江氏の名前は入っていなかったが、ＳＢＩホールディングスの北尾吉孝会長兼社長は「堀江さんの能力を生かすことを僕はやりたい」と強く推し、将来的な登用を示唆。この日、ダルトン側の株主提案は否決されたが、堀江氏はすでに別ルートで清水氏と意見交換できるほどの関係を構築していた。

　株主総会では複数の株主から清水氏に「堀江氏のビジョンとフジが掲げる未来像は共通している。堀江氏と協力関係は築けないのか？」「社外取締役の可能性は？」などの質問が相次いだ。清水氏は「（今回の上程案にはなく）取締役の予定はないが、取締役でなくても堀江さんの知見からアドバイスを得ることはある」と、今後の協力体制について前向きに回答する場面があった。

「堀江氏はフジの過去のドラマやバラエティーのコンテンツは宝の山だとして、配信動画サービスＦＯＤでの展開やアニメのＩＰ（知的財産）での世界戦略を清水社長に提言しており、『話が分かる人』と評価している。今後、フジテレビのトップとまではいかなくてもそれなりのポジションで起用される可能性もあり、堀江氏はモチベーションは高い」（テレビ局関係者）

　ライブドア事件後、堀江氏はフジだけが地上波出演ＮＧだった。天敵とされる〝フジの天皇〟こと日枝久取締役相談役の存在がネックとなっていた。その日枝氏もこの日で退任。総会後、堀江氏は「（フジの）編成の方とも会っててこの間。一緒に番組とかできたらいいですよねって話をしてました。ＣＭが流れるんじゃないかな」と明かした。

　自身が手掛けるユーチューブチャンネル「ＲＥＡＬ　ＶＡＬＵＥ」のＣＭが、今後フジで放送される。この解禁劇からも、清水体制下で日枝氏の影響力は排除されるとみている。

　同じく株主総会に出席した元ライブドアの田端信太郎氏とのユーチューブ対談で、堀江氏は「オレたちひょうきん族」の切り抜き動画の許可化や、フジ主催での賞金１億円の漫画賞を新設して漫画家一本釣りプランを披露。「オレが言っていると清水社長が（アイデアを）拾ってくれる」と笑顔が絶えなかった。２０年越しの〝フジ侵攻作戦〟は着々と進んでいるようだ。

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