「ダウンタウンのごっつええ感じ」で面白かったコント・企画

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マギーさん　一味違う面白さ、磨かれた

自分の礎になる価値観を与えてくれたな、というのは今も強く思っています。

　母が若い頃に好きだったのは、フランキー堺さんやタモリさん。楽器ができたり、音楽的素養があったりして面白いことが言える。男前じゃないけど、魅力的な人って、いいよねっていうのを子どもの頃から植え付けられてきた。「あなたも、タモリさんみたいになればいいのに」って。

　あと、ものごとに対し、批評的な目を持っている。例えば、子どもはお祭りって好きじゃないですか。でも、母は「あんな人がいっぱいいるところに行って、何が楽しいんだろうね」って言う。ちょっと、斜めの切り口、変わった目線を持っていましたね。

　僕が芸能界で仕事をしたいと思ったのは、小学５年生のとき。転校をきっかけに「今日から面白い人になろう」「あこがれているあの人たちに、今ならなれるかも」って思った。今で言う「キャラ変」ですね。自己紹介でふざけたり、調子に乗ったりしていたら、ウケ続けた。「めちゃくちゃ気持ちいい」と感じて、お笑いを仕事にしたいと思うようになった。

　母は否定せず、むしろ奨励してくれました。ある日、勉強していると「テレビで、面白いのやっているからおいで」と、呼んでくれた。イッセー尾形さんの１人芝居でした。刺激を受けて、舞台やお芝居にも視野が広がりました。

　大学受験のとき、一度だけ、葛藤したことがありました。合格した東京の私立大学は第１志望じゃなくて、母は「それなら（自宅に近い）関西の大学に行きなさい」と。でも、僕は、どうしても東京に行きたかった。東京で一人暮らしして面白いことをやるんだと。母は翌日、「いろいろ考えたけど、東京に行ったらいい」と言ってくれました。

　今になって言うんですが、この子は自分から手放した方が、もっと何か伸びるんじゃないか、何か可能性があるんじゃないかと、思ったらしいです。小５の転校と同じぐらいのターニングポイントでした。

　うちには中３と中１の娘がいて、「笑えるってことは大事だよね」って教えています。言葉は違えど、母と同じ価値観です。母はいま７５歳。家を出るまで自分を磨いてくれたことに、本当に感謝しています。（聞き手・角拓哉）

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　俳優・演出家　１９７２年、兵庫県出身。明治大学在学中に仲間６人でコントユニット「ジョビジョバ」を結成し、デビュー。演劇ユニット「ＴＥＡＭ　ＮＡＣＳ」の公演「マスターピース～傑作を君に～」が４月５日に大阪でスタートし、演出を手がける。

「チェンジだ」って