次はジャニタレがテレビから消えるのか

ジャニーズ事務所のジャニー喜多川元社長による性加害問題を同事務所が認めた記者会見から１４日で１週間が経過し、企業が所属タレントを起用した広告や販促を中止する動きが広がっている。取引を継続すれば少年への性加害を追認していると批判を受けかねないためだ。ただ、企業側も広告宣伝効果が大きいジャニーズのタレントに依存してきた経緯があり、販促戦略の見直しは容易ではない。

アフラック生命保険は１４日、同事務所との広告契約を解除する方針を明らかにした。「所属タレントに非はない」として平成２３年から起用している桜井翔さんとの個人契約を検討する。カゴメや森永製菓も同日、広告契約を期間満了後に更新しない方針を公表した。

これまでにビール大手４社すべてが所属タレントを新たな広告や販促に起用しない方針を打ち出すなど、コンプライアンス（法令順守）意識が強い大企業や外資系を中心にジャニーズ離れの動きが加速している。

一方、モスバーガーを展開するモスフードサービスは１３日午前に所属グループが出演するＣＭの放送を始めたが、午後に一転して中止を決めた。同事務所は今後１年間、広告などの出演料を受け取らず全て所属タレントに支払う方針を表明しており、再発防止や被害者救済などガバナンス（企業統治）強化を見極めたいと対応に迷う企業も多い。

主力商品の広告を所属タレントの知名度に頼ってきた企業は販促戦略の見直しを迫られる。博報堂などが今月公表したエンターテインメント業界の市場規模調査では、ジャニーズの４グループが「ポケットモンスター」などと並びトップ１０に入った。昨年来の値上げラッシュで逆風を受けてきた企業にとって、購買意欲が高いジャニーズファンの離反を招くのは避けたい。

だが、経済同友会の新浪剛史代表幹事（サントリーホールディングス社長）は１２日の記者会見で「チャイルド・アビューズ（子供への虐待）を認めることになり、国際的にも非難の的になる」として、企業に対しジャニーズ離れを促した。

東京商工リサーチの調べでは、同事務所グループの取引先は２２６社に上り、うち８０社が売上高１００億円以上の大企業だ。安易な対応を取れば海外でもイメージダウンを招き、事業に支障をきたす恐れもあり、所属タレントが出演する番組のスポンサー契約の見直しといった、さらに強い対応を模索する動きもある。

https://news.yahoo.co.jp/articles/add454cf68f26214ae744caa5e5b6c15940519c4