伊藤健太郎、涙で再出発…事故から１年同じ日に主演舞台初日「泥臭く芝居を続けていきたい」

10/29(金) 5:00
スポーツ報知

伊藤健太郎、涙で再出発…事故から１年同じ日に主演舞台初日「泥臭く芝居を続けていきたい」
主演舞台で再始動した伊藤健太郎
　昨年１０月に自動車運転処罰法違反（過失傷害）と道交法違反（ひき逃げ）の疑いで逮捕され、不起訴処分となった俳優の伊藤健太郎（２４）が、事故からちょうど１年となる２８日、東京・シアターグリーン　ＢＡＳＥ　ＴＨＥＡＴＥＲでの主演舞台「ＳＯＵＬＦＵＬ　ＳＯＵＬ」（３１日まで）で再始動した。

　終演後、スポーツ報知の取材に応じた伊藤は、「この日が近づくと、どうしても事故の日のことを思い出して、ゾワゾワしてきます。芝居する喜びに原点回帰できた。本当に感謝の限りです」と目を潤ませた。

　今回の公演の話が舞い込んだのは、３月に不起訴処分となった直後のことだった。引き受けていいか迷ったが、「もう一度、芝居をしていいのか。関わってくださる方々に迷惑がかかるのではないか。悩みましたが、自分を求めてくれるならと挑みました」と心を決めた。

　演出家・福島三郎氏（５２）が脚本と演出を務め、９８年と１７年にも上演され今公演が３度目。突然霊が見えるようになったフリーターが、死生観を問いながら、自分と恋人との将来を見つめ直すハートフルコメディーだ。

　今月３日から稽古を開始。この日の舞台では、約５０人の観客を前に全身で喜怒哀楽を表現し、駆け回った。「ありがとうございました」。終演後には目を赤くしながら深々と頭を下げた。「お客様から拍手をいただき、事務所の方、スタッフ、ファン、いろんな人の顔が浮かんだ。稽古から毎日が楽しくて、芝居が面白くて、形容できない感覚。本当に長かった」と泣きながら演じることの喜びをかみしめた。

　俳優としてブレイクし、人気絶頂に上り詰めようという時に起こしてしまった事故は、自分自身を見つめ直す契機となった。「１年間、ひたすら自分と向き合ってきた。やっぱり芝居が好き。求められるのであれば、やっぱり映画やドラマの世界に戻りたい。自分には芝居しかない。泥臭く芝居を続けていきたいです」

　◆伊藤　健太郎（いとう・けんたろう）１９９７年６月３０日、東京都生まれ。２４歳。モデルを経て、１４年に俳優デビュー。１７年に映画「デメキン」で初主演。１８年、日テレ系「今日から俺は！」に出演。同年６月に「健太郎」から本名の「伊藤健太郎」に改名。１９年に後期のＮＨＫ連続テレビ小説「スカーレット」でヒロインの息子役で出演。身長１７９センチ。

　◆事故とその後の経過

　▼２０年１０月２８日　東京・渋谷区で乗用車を運転中にバイクと衝突。

　▼同２９日　自動車運転処罰法違反（過失傷害）と道交法違反（ひき逃げ）の疑いで逮捕。

　▼同３０日　留置先の警視庁東京湾岸署から釈放。

　▼２１年３月２５日　東京地検が、示談成立のため不起訴処分を発表。ひき逃げは犯意が認められず嫌疑不十分とした。伊藤は自身のＳＮＳに謝罪の思いを直筆の文書で掲載。

　▼６月３０日　公式ファンクラブ「ＧＯＬＯＮＤＲＩＮＡＳ（ゴロンドリナス）」開設。

　▼７月１９日　写真展「Ｓｏｔａｎｏ　ｄｅ　ｌａｓ　Ｇｏｌｏｎｄｒｉｎａｓ―ツバメの洞窟」（同月２５日まで）を都内で開催。

　▼１０月２８日　主演舞台「ＳＯＵＬＦＵＬ　ＳＯＵＬ」（３１日まで、東京・シアターグリーン　ＢＡＳＥ　ＴＨＥＡＴＥＲ）が上演開始。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c8f40818a1f2823f967fc4a613950807d51992cd